2013年 11月 21日
松永さんの了解を得て、制作過程の見学をさせて貰っている。仕事を一区切りしてショップに向かうと、すでにチェーンステーとエンド金具の溶接は終わっていた。ちょうどラグ等の合金鋼チューブの加工に入るところで、そこからの一部始終を拝見させて貰った。ショップに行くと、工房のすぐ外側に丸椅子を出して下さったので、多分ここから余り近づかないように、ということと思って、大体そこから見学させて頂いた。金属加工なので切り屑とか危険だろうし、実際、松永さんも防護面をかぶって作業をされていた。 最初に活躍していたのは旋盤で、ラグになる金属チューブを回転軸に固定し、それを固定したバイト(刃先)で削っていって肉厚を設計値に削っていく作業をされていたと見受けられた。回転軸に固定する際、工作物がつぶれるのを防ぐためと思われる金属製の中子を入れて作業されていたようだ。何往復かして肉厚が整ったら、両端の部分をさらに肉薄にする作業をされていたようだ。残念ながら、細かいところはちょっと遠くから見ていてよく分からなかったが。これをラグの数だけ、作業されたわけだが、拝見していると部材によって細かく設定を変えられているようで、結構手間だなあ、と思った。できあがったラグの部材は、寸法をマイクロメータでチェックされていた。 エンドの接合の終わったチェーンステーの長さを整えるのに、ノギスのお化けのような工具を使って端からの長さを測定し、その場所にマーキングをされていた。それを旋盤にセットして、これはあっという間に切断が終わってしまった。この段階では丸断面なので旋盤作業ができるのだろうし、チェーンステーのパイプは肉薄なのですぐに切断できるのだろう。 シートステーをシートチューブに接合する部分は、カーボンシートステーの異形断面にあわせた合金鋼チューブを成型する。まず、長さを短くするために、異形チューブを万力に固定後、ハンディタイプの電動丸鋸で余分な長さの部分を削り落とす作業だ。火花が散って派手である。それが終わったら、切断面のバリを取ると思われる作業をされていた。こちらも火花が散って派手であった。 ラグ用部材の次の加工は、フライス盤で行われた。今度は回転軸に刃先をセットし、ステージに固定した部材をハンドルを使って刃先に近づけていく。ここで行うのは、ザグリ作業で、非常に直径の大きい刃先をセットした回転軸に対して、部材を斜めになるように配置し、切除していく。これによって円柱と円柱を接合する際に重なる部分を切除するわけである。部材をどの角度でセットするかで、チューブ同士の接合する角度が決まってくる。この作業もラグ用部材全てするわけだが、角度はパーツによって違うので、そのたびにセットする角度を変えられていた。また、接合するチューブの太さが違うためと思われるが、ザグルための刃先も太さの違うものを使い分けられていた。 ザグリの作業が終わると、何となく、これらをつなげるとラグができる、という想像ができる。そして、最初に材料を見たときには見当もつかなかったが、それでつながれたチューブからなるフレームも想像の中で見えてきた気がする。
by rk_tsukuba
| 2013-11-21 00:11
| Project Mの発注から納車
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